決算書を理解する!(5)

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先ほどの株式会社田中商事について商品別在庫データを手に入れることができました。

損益計算書と貸借対照表の関係を具体的に見る

商品別期末棚卸金額

これだけでは、「そんなものか!」と思ってしまうかもしれません。

併せて、販売データも比較しながら見てください。

A商品に注目してみましょう。
19年の販売数は40万個です。その年の期末棚卸数が約32千個です。年間40万個売るのですから月あたりの平均は約33千個です。つまり期末の在庫は1ヶ月間で販売する量を持っていることになります。製造開始から完了まで1ヶ月かかるとしたらこの在庫は適切なのかもしれません。しかし、平成22年度の在庫が11,667個です。平成22年度の販売数量が8万個、23年度の販売数量が2万個ですから過剰な在庫(不良在庫)を持っているのではないでしょうか?それともC商品に切り替えるために発注から納品までの期間が大幅に伸びたのでしょうか?

D商品について注目してみましょう

平成23年度の期末棚卸高は約1億1千2百万円です。平成22年の約63百万円から5千万円も大幅に増加しています。この増加のほとんどがD商品の在庫であることがわかります。 このことから田中商事がD商品で業績アップの為に勝負を仕掛けているのでしょうか。つまり、平成24年度の月平均の販売見込が7千個で年間84千個の販売計画があり、その為に資金負担があるがD商品の棚卸金額を5千万円も増加しているということです。
田中商事は、棚卸の増加のための資金をどうしたのでしょうか。その資金は手許現金を切り崩して在庫を増しているのでしょうか?それとも銀行融資でその資金を調達しているのでしょうか?

棚卸資産回転率

棚卸資産回転率は、売上高と棚卸資産の関係をみるための指標です。例えば棚卸資産回転率が24回転だとすると、1年間に24回棚卸資産が入れ替わることになります。1ヶ月だと2回転することになり、会社は半月分の在庫を抱えていることになります。この回転率は数字が高ければ高いほど良いと考えます。1ヶ月分の在庫を保有するのと、1週間分の在庫を保有するのでは、保管コスト、在庫資金コストに大きな違いが発生します。
ここで田中商事の棚卸資産回転率を見てみましょう。

棚卸資産回転率の合計でみれば、平成22年の年間15.90回転(月1.32回転)を最高に、平成23年度が9.51回転(月0.79回転)と大幅に悪化しています。個別に見るとA商品は今後C商品に入れ替わるべき商品でありますから、2.45回転(約5ヶ月分)の在庫は異常な水準といえます。過去に発生した不良在庫が帳簿に記載されたままとなり、処分するのを待つだけの在庫があるのでしょうか