能力は伸ばせるはず

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流行のマインドフル
ハバード大学のエレン・ランガー教授は、マインドフルネスの第一人者です。マインドフルネスとは、新しい物事に能動的に気づく心理的状態です。いま、この時に向き合い、状況や全体像を敏感にとらえられ、物事に熱中し、活力にあふれている状態です。
経営者として、マネジャーとして、その様な状態で、会社の経営や統括する部署を運営したならば、きっとみんなが幸せになれるでしょう。
(way to the Top 2016年4月号から)

しかし現実は
目の前の仕事や義務に追われ、新しい試みもせず、今までおこなってきた作業を今までと同じように処理し、そんなことを繰り返している毎日です。。
また、経営者やマネジャーは、もっと良い営業成績を、もっとたくさんの利益を要求されています。本当は、もっとお客様に喜ばれる良い仕事、もっと価値のある創造性にあふれる仕事を望んでいます。前者は今そのときの結果を求められていて、後者は将来の成果を求めているということができます。
仮に前者を選択したとします。仕方がありません。将来も大事ですが、今の利益がなければ、将来がありません。そんなことはわかりきっています。しかし、今までどおり頑張りさえすれば上手くいくなんて甘くはありません。同じ努力をしても同じように報われるわけではありません。世界は厳しいのです。大きな損失や失敗は避けたい。失敗しないように保守的な方法を選択したくなります。リスクの小さい選択肢ですから、ほどほどの成果しか上げられません。ただ、そのほどほどの成果もあればいいのですが・・。

失敗という結果
リスクの大きい想像力あふれる方法を選択し、失敗という結果を招いたときに、成功という成果ではなく、失敗という成果を得られたと考えると、その選択は無意味ではありません。マインドフルな状態、つまり、失敗という結果ではなく、失敗を過程だと考えれば、失敗に寛容になれ、失敗は成功するために必要なものだと考えることができます。実際、私たちは、数え切れない失敗の上に世界は成り立っていることを知っています。失敗から学び取ることができれば、成功することができることも頭では理解しています。失敗の積み重ねの先にサクセスストーリーや科学的大発見があったことを、たくさん見聞きしています。
頭では解っています。文章で読めば、当たり前の話で、弊誌の読者には異論の余地がないかと思いますが、実際あなたの行動が、そうなっていますか。

マインドレスな状態
以下のような傾向があれば、あなたは、失敗を過程と考えられない心理状態にある人かもしれません。
・都合の良い結果ばかりに目を向けて、都合の悪いことは理由を付けて無視をし、いつの間にか本当の自分を見失っている。
・自分が他人からどう評価されるかを気にする。
・周囲から評価されて采配をふるい、完璧な人間と思われたい。
・物事が順調に進んでいるときは、意気揚々と仕事に取り組んでいるのに、手に負えなくなると、たちまちやる気が失せてしまう。
・即座に完璧にこなせなければ、能力のない人間だと思ってしまう。
・自分を「かっこいい」と感じるのは、自分を特別な人間のように感じるときです。人と違っていて、人よりも優れていると時に感じます。
・失敗してはならないという切迫感にいつも駆られています。そして成功すると、誇らしさが優越感にまでふくれあがります。なぜなら、成功するのは、能力が人よりも優れている証拠だと考えているからです。
思い当たることがある場合には、能力を固定的に考える世界にいる人といえるかもしれません。能力を固定的に考える人は、新しいこと、先が見えないことに取り組むことができません。なぜなら、極端に失敗を恐れてしまうからです。
失敗すると、ただ文句を言って、新しい仕事のやり方を探さず、文句を言い、嘆きながら、自分が変わろうとしません。
経営者として、マネジャとして、誰もが、よくわからない状況で何らかの決断しています。失敗してしまったら残念ですが、それはあくまで、ある一つの決断に従った結果にすぎません。決断は、いつでも変更することができます。世界は今日、終わってしまうわけではありません。明日も明後日も続くのです。失敗を失敗のままで終わらせる必要はありません。

マインドフルな状態
マインドフルな人は、能力は伸ばせるものと考える世界にいる人です。その様な人は、以下のように考えます。
・能力を伸ばすことができると信じていれば、現時点での能力についての情報を、たとえ不本意であってもありのままに受け入れることができます。
・自分を向上させることに関心を向けます。
・仕事が大変になってもやる気が低下することはありません。君にはムリだと言われると、やってやるぞという気になり、手強いほど興味がそそられます。
・時間をかけて何かを習得しているとき、困難に向かいながら前進しているときにかっこいいと感じます。
気持ちの持ち方一つで人は、より多くのものを得られることを知っているのに、私たちは固定観念でがんじがらめにになっています。
例えば、おじいちゃんやおばあちゃんが、風邪を引くと「もう年だから」と周囲も本人も納得します。まるで、年齢が高まると風邪をひくことが多くなることが当たり前のようですが、そんなことはありません。誰でも風邪はひくものです。私たちは、わけのわからない固定観念でいっぱいなのです。

ランガー博士の交響楽団の実験
経営者やマネジャーだけでなく、組織を構成する個々人が、マインドフルな状態で仕事をすれば、一体どんな素晴らしい成果を得られるのでしょうか。
交響楽団の実験を見てみましょう。
楽団員は、同じ曲を何度も何度も演奏するわけですから退屈しきっているものです。
いくつかの楽団に、もっとも良かったパフォーマンスを再現するように指示し、いくつかの楽団に各自の演奏に新たな変化を少しだけ加えるようにと指示しました。
変化といってもジャズではありませんので、微妙な違いにしかなりません。
これらのパフォーマンスを録音し、実験内容を知らない人々に聞いてもらったところ、それぞれが工夫すると指示された楽団が圧倒的な支持を集めました。
一人一人が自分の仕事をすることで集団のパフォーマンスが上がったのです。

各自が自分勝手なことをしていれば、収拾がつかなくなります。確かにみんなが反抗的な態度で、それぞれ勝手に仕事をすれば、そうなるかもしれません。
しかし、各自が同じ状況を共有し、「いまこの時」に全力で向き合えば、組織としてより良いパフォーマンスにならないはずがありません。
ただ、現実の経営の場において、各々が議論して、それを調整するのは大変な作業です。それをマネジメントする人も、組織を構成する人々も、ストレスを感じても仕方がありません。
あれこれ考えたり議論したりするのが面倒なことですが、本当にストレスは、きちんと考えずにネガティブな判断を下したり、解決できないような問題が見つかるかもしれないと心配したりすることです。つまり、中途半端で先が見えないことがストレスなのです。徹底的に議論して、いま考えうる最善の選択をすることは面倒ではありますが、ストレスとは無縁です。

豊かな創造性の為に
創造性を発揮するために必要なものは、勇気、挑戦、不屈の意志、組み合わせ、新たな視点、遊び心、偶然、努力及び瞬間的なひらめきです。
創造性を育む環境の特徴は、集中、多彩な才能、コミュニケーション、ネットワーク、インフォーマルな場、往来のしやすさ(モビリティー)、資源、自由、競争(業績へのプレッシャー)及び混沌です。
マネジャーとして、創造性を育む環境を作り、創造性を発揮できる様にマネジメントしたいものです。そのために、経営者やマネジャーはマインドフルな状態で仕事に臨まなければなりません。

経営者がマインドフルになるために
ランガー博士は、マネジャーがマインドフルに行動するためには、マネジャーが自分の思考が相手に全部丸見えだと想像してみるのは一つの方法だといっています。あなたは上司として神のごとくふるまって部下を恐れおののかせることもできます。しかし、それでは部下はあなたに何も話そうとせず、あなたは何も学ぶことができません。そして、あなたは孤立し、幸せにはなれないでしょう。上に立つものが孤独である必要はありません。

自分の欠点と向き合うか、それとも、欠点の見えない世界を作り上げてしまうか。あなたは、どちらを選択しますか。

参考文献
[1] C. S. Dweck and 今西康子, マインドセット : 「やればできる!」の研究. 草思社, 2016.
[2] E. J. Langer and 加藤諦三, 心の「とらわれ」にサヨナラする心理学 : 人生は「マインドフルネス」でいこう! PHP研究所, 2009.
[3] ランガーエレン and 辻仁子, “一瞬一瞬を大切にすれば結果は変わる いまマインドフルネスが注目される理由 (特集 一流に学ぶハードワーク),” Harv. Bus. Rev., vol. 39, no. 9, pp. 60–70, Sep. 2014.
[4] 佐藤善信, “企業家精神の心理学的分析,” ビジネス&アカウンティングレビュー, vol. 1, no. 1, pp. 29–44, Mar. 2006.
[5] 入山章栄, “世界標準の経営理論(第16回)組織学習・イノベーションの理論(3)知の創造を導く「マインドフルネス」を高める法,” Harv. Bus. Rev., vol. 41, no. 1, pp. 126–136, Jan. 2016.